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大阪市の天王寺駅近くにご開業されました。患者様の反応や動向はいかがですか?

地域のみなさまをはじめ、市外、他府県からも多くの患者様にお越しいただいています。遠方からもご来院いただけることは大きな励みになり、また、責任も実感しています。
現在は、過敏性腸症候群などにお悩みの若年層の方の受診が多く見られます。今後も、40~60歳代の働き盛りの患者様が気軽に相談できるクリニックとして、情報発信や環境整備に努めていきたいと考えています。そして、苦痛の少ない内視鏡検査と丁寧な診療を通じて、幅広い方々の健康をサポートしてまいります。

いつごろから開業を考えていましたか?

開院の約3年前から、本格的に意識しはじめました。
医師として経験を重ねるなかで、より自分らしい形で患者様と向き合える環境を作りたいという思いが強くなり、少しずつ準備を進めてきました。

患者様やスタッフの方の反応はいかがですか?

患者様には開放感のある待合室をほめていただくことが多くあります。診察までの時間を快適にお待ちいただけているのではないかと思います。
スタッフはこれまで以上に熱心に仕事に取り組んでくれています。というのも、リハビリ室や処置室、待合室などを広く確保でき、動線も考慮したため、働きやすくなったからだと思います。大きな動作を伴う運動療法も指導できるようになりました。

開業は、どのような立地を希望されていましたか?

できるだけ多くの方に必要な医療を届けられるよう、人口が多く、アクセスの良いターミナル駅での開院を第一に考えていました。とくに当院は、内視鏡検査を提供しているため、公共交通機関でのご来院が前提となり、「駅近」は絶対条件でした。
とはいえ、「競合が過密状態になっている」「賃料が高騰して、事業継続が困難になるリスクがある」といったエリアは避け、アクセス、人口、競合、賃料のバランスが取れた立地を丁寧に探していきました。
天王寺は、幅広い世代の方が日常的に行き交う場所でもあり、内視鏡検査の啓発や消化器疾患の早期発見に力を入れていくうえで、理想的な環境だと感じました。

ご開業にあたって大変だったことはありますか?

これまでの人生で経験したことがない出来事の連続だったという点です。
とくに開業準備中は、前職と並行しながら、膨大な数の決定事項に一つひとつ向き合う必要があり、時間的にも精神的にも大変でした。また、限られたコストのなかで、こだわる点と妥協点の線引きの判断が非常に難しく、理想と現実のバランスを取ることに大きなエネルギーを費やしました。

良かったことも教えてください。

多くの困難を乗り越えながら、自分が理想とする医療や空間づくりを実現できたことは大きな喜びです。患者様から「安心して受診できた」「丁寧に診てもらえてうれしかった」といった声をいただけたときは、頑張って良かったと心から思います。
まだまだ試行錯誤の毎日ですが、理想を形にしていく過程そのものに、大きなやりがいを感じています。

今後の目標を教えてください。

私の目標は、「胃がんや大腸がんで命を落とす人をゼロにする」ことです。そのために、内視鏡検査の重要性を一人でも多くの方に知っていただき、早期発見・早期治療の機会を逃さない社会作りに貢献したいと考えています。

新規開業を考えている先生方へアドバイスをお願いします。

「自分はなにをしたいのか」という軸を持つことが、後悔のない選択につながると思います。また、一人で抱え込ます、周囲と連携しながら進めることも成功のカギです。
大変なことも多くありますが、それ以上に得られるものは大きいと思います。ご自身が理想とする医療の実現に向けて、一歩ずつ進んでいってください。

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天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック

安江 千尋 院長

https://www.tennoji-naishikyo.com