資金はどうしたらよいか

どれくらいの資金が必要か

財務はレーダーと同じです

開業を志す場合、まず一番重要なポイントとなるが、「開業する為にはどのくらいの費用(初期投資金額)が必要か」、そして「その費用をどうやって調達するか」ということでしょう。
資金計画をはじめ、経営を行っていくうえでの財務は、レーダーにたとえることができます。レーダーは、常に自分の周囲に電波を張り巡らせて、自分がどんな位置にいるのか、周囲がどんな状況かを観察しています。
財務もこれと同様といえます。開業を目指すあなた自身が、資金状態を含め現在どんな状況にあるのか、また周囲のどんな事が活用できるかとことを観察し的確に把握していることが大切なのです。

科目別に変わる初期投資金額

診療所の開設にどの程度投資が必要なのかは、科目 によって大きく異なります。
自分の専門科目で初期投資がいくら必要かを把握すことが大切です。

初期投資金額=自己資金ではありません

すべてを現在自分自身が持っている資金から出さなければいけないと考えがちですが「自分には自己資金が少ないから開業なんて無理だ」と思う人も少なくありません。
自己資金だけで、すべての初期投資金額を捻出するのは困難です。金融機関の融資など(他人資本)を活用することで、開業しているのが現状です。
可能なのです。実際、当社では、自己資金がゼロ、から開業を実現したケースもあるほどです。

開業費用も経費になります

事業にかかる経費は、所得から差し引くことができるため、漏れなく計上すれば、課税される所得金額が低くなります。
確定申告を行う場合、経費計上できる範囲を知っておかないと本来納めるべき額よりも所得税を多く納めてしまうことになります。
診療所を開業の際かかった調査費用、テナント前家賃、広告宣伝費などは繰延資産として均等(60ケ月)に償却して経費にすることが可能です。

資金を調達する

資金調達に対する不安は誰もが持っています

開業資金の調達は、自己資金の他、公的融資や、金融機関、リース会社などを利率を考慮し、どう組み合わせ計画していくことになります。
借金に後ろめたいように感じる方もいるかもしれませんが、貸した側にとっても診療所が軌道に乗り新たな融資が必要となれば大事なお得意様になります。

貸付機関は資金をこう分類します

運転資金とは

収支バランスが崩れ支出が多くなり資金不足を埋め合わせるのが運転資金です。先生は個人事業主となりますので自身、家族の 生活費も含まれます。
運転資金は月額固定費の半年から1年分を想定するのが一般的です。ゆとりを持った開業資金計画を建てることが大事です。

設備資金とは

設備を事業に投資するための意資金です。初めから高級な医療機器を幾つも用意する必要はなく最低限の所からスタートして資金に余裕が出たところで追加する方法が賢明でしょう。

自己資金と借入割合は1:3が目安

一般に自己資金と借入資金の割合は1:3が適切で自己資金を用意できることが融資や出資の条件となるケースが多いです。借入比率が高くなりすぎると準備資金不足か過大計画と見なされます。借入資金の中で支払いをやりくりし、自己資金は開業時まで残しておく計画が大切です。
自己資金とは現金、預貯金、保険の積立金、証券類、親や親族からの出資金などが含まれます。

調達先は銀行だけでない

  • 公的資金
  • 日本政策金融公庫
  • 福祉医療機構
  • 医師会提携融資
  • 医師信用組合
  • 地方自治体

貸し付け条件には無担保、保証人あり、担保ありと3つの段階があります。

銀行系リースも有効活用

ファイナスリース

設備や機械を導入の際資金でなく設備や機械そのものを借りる方法です。
リース会社が購入した対象機器を貸出利用者は月々定額のリース料を支払います。
リース料は、減価償却費・固定資産税納付などの事務処理省略が可能な上全額経費処理ができるなど融資を受けて購入よりもメリットがあります。

メンテナンスリース

ファイナンスリースに保守・管理のサービスを加えたもので保守管理に専門技術を必要とするものが主な対象です。

5ケ年の事業計画を立て、投下資本を回収する

利益目標と返済プランを立てる

事業計画とは収入と支出の流れを具体的に割り出し、把握し、コントロールするものです。
予定している診療所がどの程度の収益性、確実性、安全性を持っているのかを外部に示すこともできます。
5ヶ年事業計画書には借入金の返済プランとして金融機関に提出します。事業内容、市場環境、競合優位性、経営プラン、マネープランをまとめます。
事業計画書を作成すると投下資本回収がいつ頃になるかを予測でき、赤字経営が黒字に転換する時期が見えます。
貸付金融機関では回収の平均値があり事業計画書の数値との比較し矛盾点の有無を確認します。この数値の大きな差があると事業計画が甘いことになります。
ビル内での開業は初期投資金額を低く抑える事が可能な為、回収率が良く科目に関わらず5年程度で投下資本回収を行うケースが多くみられます。

回収期間は5年が目安

投下資本の回収の原則は、経常利益+減価償却費=返済金です。
初期投資額を大きくしすぎたり、返済を急ぐあまり収益力以上の返済を行うと資金繰りが苦しく破綻を招来やすくなります。

損益分岐点を見極めます

損益分岐点

収支が等しくなる売上高の事です。どれくらい売り上げがあると黒字となって、どれくらいダウンがあると赤字になるかを見極めるのに役立ちます。

損益分岐点比率

損益分岐点が売上高に対してどのくらいの割合かを見るものです。この比率が低いほど経営は安定します。

損益分岐点や損益分岐点比率を把握すれば変動費や固定費の枠をどの程度に抑えるべきかなどが見えてきます。